エコキュートの電気代は高い?安い?|光熱費を抑える工夫や設置前に知っておきたい注意点

エコキュートは電気を使って効率よくお湯を沸かす「ヒートポンプ式」の給湯器であり、長期的に見れば光熱費の節約につながる優れたシステムです。
しかし一方で、「本当に電気代は安くなるの?」「設置費用が高いのでは?」といった疑問や不安を感じる方や、導入後に「思ったよりも光熱費が安くならなかった...」と設置を後悔されている方もいらっしゃいます。
そこで、この記事ではエコキュートの仕組みやランニングコストの目安、電気代が高くなる原因や節約の工夫について解説いたします。
目次 【表示】 【非表示】
- ●エコキュートの電気代は本当に安い?
- -「ヒートポンプ方式」でお湯を沸かすエコキュート
- -エコキュートにかかる「年間電気代」の目安は?
- ●エコキュートの導入で電気代が高くなる4つの原因
- -①電気料金のプランが生活にマッチしていない
- -②日中の「沸き増し」で電力を消費している
- -③エコキュートの節約機能が働いていない
- -④生活スタイルに「容量」がマッチしていない
- ●エコキュートの電気代を抑えるために出来る工夫とは?
- -①深夜の割安電力を有効活用
- -②エコキュートの「節約機能」をフル活用する
- -③お湯の使い方・生活習慣を見直す
- -④太陽光発電との併用
- ●地域や季節によってエコキュートの電気代は変わる?
- ●節約効果だけじゃない!エコキュートのメリット
- -家計だけでなく「地球環境」にもやさしい
- -災害時にも役立つ!「貯湯式」が魅力
- -火を使わないため安全性が高い
- ●エコキュートを導入する前に知っておきたい注意点
- -①導入コストが大きい
- -②シャワーの水圧が弱め
- -③夜間の「運転音」が気になる場合がある
- ●まとめ
エコキュートの電気代は本当に安い?

しかし、「実際にどれくらい電気代がかかるのか?」「本当に節約につながるのか?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
エコキュートは、従来のガス給湯器や電気温水器とは異なる独自の仕組みを持ち、お湯を効率よく沸かすことができます。
電力の使い方や地域・季節などの条件によって多少の違いはあるものの、正しい使い方をすれば年間を通じて光熱費を大幅に抑えることが可能です。
ここでは、エコキュートの電気代が安くなる理由とその仕組み、さらに実際のランニングコストについて詳しくご紹介いたします。
「ヒートポンプ方式」でお湯を沸かすエコキュート

これは「ヒートポンプ方式」と呼ばれるもので、エアコンや冷蔵庫の技術を応用した仕組みです。
具体的にはヒートポンプユニットが外気から熱を取り込み、それを冷媒(二酸化炭素)に吸収させた後に圧縮、高温にして水を温めます。
この過程で使われる電力は実際に発生する熱量のわずか1/3程度で済むため、非常に効率的な給湯が可能になります。
このように、少ない電力で多くの熱エネルギーを生み出せる仕組みにを持つエコキュートは、省エネ性能に非常に優れた給湯器として知られています。
エコキュートにかかる「年間電気代」の目安は?ガス給湯器との比較

一方、都市ガスの給湯器では約90,000円~105,000円程度が目安とされているため、エコキュートを導入する事で60%〜70%のコスト削減が出来る計算です。
また、電気料金が安くなる深夜時間帯にお湯を沸かす仕組みを上手に活用することで、より高い節約効果を得ることが可能です。
初期投資こそ必要ですが、長い目で見れば毎月の光熱費を抑えることが出来ます!
エコキュートの導入で電気代が高くなる4つの原因
実は、エコキュートを導入後の電気代は使い方や周辺の環境によって大きく左右される特徴があります。
ここでは、電気代が高くなってしまう主な原因を4つに分けてご紹介いたします!
①電気料金のプランが生活にマッチしていない

しかし、日中の電気料金が高く設定されているプランでは、在宅ワークや昼間にお湯を多く使うライフスタイルの場合、かえって電気代が高くなってしまうケースもあります。
ライフスタイルによってはせっかくの節約効果を十分に活かせない可能性があるため、電気料金プランは定期的な見直しが重要です。
②日中の「沸き増し」で電力を消費している
エコキュートは基本的に夜間の安い電力を利用してお湯を沸かし、貯湯タンクに蓄える仕組みです。
しかし、一方でタンク内のお湯を使い切ってしまうと日中に「沸き増し」が行われます。
沸き増しが頻繁に起こると高い電力単価でお湯を沸かすことになり、結果として電気代が大きく跳ね上がってしまいます。
無駄な沸き増しを防ぐためには、「家族の人数に対して適切な湯量を夜間に確保できるよう設定を見直す」ことや「日中のお湯の使い方を工夫する」ことが大切です。
③エコキュートの節約機能が働いていない
エコキュートの節約機能 | 機能の内容 |
---|---|
ピークカット機能 | 電気料金が高い時間帯にエコキュートのヒートポンプによるお湯の沸き上げ(自動湯増し運転)を停止する機能 |
沸き上げ時間シフト機能 | 電気の使用量が増える朝方(ピークタイム)より前、夜間のうちにお湯の沸き上げを完了させる機能 |
パワーセーブ機能 | ヒートポンプの消費電力を抑えながら、ゆっくりとお湯を沸かす機能 |
多くのエコキュートには「ピークカット機能」「沸き上げ時間シフト機能」「パワーセーブ機能」など、電気代を抑えるための便利な節約機能が搭載されています。
これらの機能を活用することで電力の使用時間帯を調整し、より効率的にお湯を沸かすことが可能です。
一方、初期設定のまま使っていたり機能の存在を知らずに使用していると、本来抑えられるはずの電力消費がそのまま電気代に反映されてしまいます。
取扱説明書を見直したり、メーカーのサポートを活用して節約モードを適切に設定してしましょう。
エコキュートが本来持っている性能を活かしきれていない可能性があります!
④生活スタイルに「容量」がマッチしていない
たとえば、タンクが大きすぎる容量を選ぶと毎日使いきれないお湯を沸かすことになりますが、反対に容量が小さすぎるとすぐにお湯切れを起こしてしまう事態も考えられます。
どちらも、電気代がかさんでしまう原因です!
目安としては、2人世帯で370L程度、4人以上の世帯で460L以上のタンクが選ばれることが一般的です。
最適な容量の機種を選ぶことが無駄のない運用につながります!
エコキュートの電気代を抑えるために出来る工夫とは?
もともと省エネ性能に優れたエコキュートですが、使い方を少し工夫するだけでより光熱費の削減につなげることができます。
ここでは、すぐに取り組める4つの工夫をご紹介します!
①深夜の割安電力を有効活用
エコキュートは夜間の安い電力を利用してお湯を沸かす「夜間蓄熱型」の給湯器ですが、その特性を最大限に活かすためには電気料金プランやタイマー設定の見直しが大切です。
たとえば、深夜電力が安い時間帯に集中して沸き上げが行われるように「沸き上げ開始時間」を細かく設定できるモデルもあります。
契約している電力会社のプランが現在の生活スタイルに合っているかどうかを確認し、必要に応じてプランの変更を検討することも節約効果を高めるポイントです。
②エコキュートの「節約機能」をフル活用する
「ピークカット機能」や「パワーセーブ機能」などを活用することでご家族のライフスタイルに合わせた最適な運転が可能になり、無駄な電力消費を防ぐことが可能です。
操作が不安な場合は、設置業者やメーカーに相談して適切な設定方法を確認しましょう。
少々、手間と感じられるかもしれませんが、一度設定してしまえば節約効果を自動で受ける事が出来ます。
③お湯の使い方・生活習慣を見直す

電気代を節電をする上では、機器の設定だけでなく生活習慣やお湯の使い方を見直すことも大切です。
「シャワーの出しっぱなしを控える」「洗面や食器洗いでお湯を使いすぎない」など、少しの心がけが大きな差につながります。
また、夜間のうちに家族全員が入浴を済ませることで、日中の沸き増しを避けることも出来ます。
省エネ意識を持って生活することが、エコキュートをより効果的に使うコツです。
④太陽光発電との併用

特に、太陽光で発電した電力を優先的に自家消費する「自家消費型システム」を導入しているご家庭では、エコキュートの沸き上げ時間を日中にずらす工夫も効果的です。
地域や季節によってエコキュートの電気代は変わる?
冒頭でもお伝えいたしましたが、エコキュートは環境の影響を受けやすい給湯器です。
そのため、設置する地域や使用する季節によって電気代に差が生じることがあります。
特に「気温」と「使用量」は大きく関係しており、同じ機種を使っていても条件によってランニングコストは変動します。
たとえば寒冷地や冬季は取り込める熱量が減るため、お湯を沸かすために必要なエネルギーが増えます。その結果、ヒートポンプの稼働時間が長くなり、どうしても電気代が高くなりやすくなってしまいます。
また、寒い季節は湯量の使用も増える傾向から、日中に沸き増しをしてしまう可能性も大きくなります。
もちろん寒い時期にお湯を使わないと言う事は難しいのですが、「冬場はエコキュートの電気代が大きくなりやすい」と意識して使用することも大切です。
節約効果だけじゃない!エコキュートのメリット
エコキュートと言えば、「電気代の節約」や「光熱費の削減」といった経済的なメリットに目が向きがちです。
ですが、エコキュートを導入するメリットはそれだけではありません!
ここでは、エコキュートにおける「節約以外の魅力」についてご紹介いたします。
家計だけでなく「地球環境」にもやさしい

エコキュートは空気中の熱を活用してお湯を沸かす「ヒートポンプ技術」により、エネルギー効率が非常に高いのが特徴です。
そのため、一般的な電気温水器に比べて消費電力が約3分の1程度とされており、環境負荷の少ない給湯器として評価されています。
また、使用するエネルギーが電気であるため、ガスのように燃焼時にCO₂を直接排出することもありません。
温暖化対策としても有効で、再生可能エネルギーと組み合わせれば「脱炭素」にも貢献できます。
まさに、家計だけでなく地球環境にも優しい設備です!
災害時にも役立つ!「貯湯式」が魅力

エコキュートは「貯湯タンク」に大量のお湯をためておける構造になっており、断水時にも備蓄されたお湯や水を生活用水として使用することができます。
飲料水としては適しませんが、地震や台風などの災害で水道が使えなくなった場合でもタンク内のお湯を洗顔や手洗い、トイレの洗浄用などに活用することが可能です。
貯湯量は370L~460L前後が一般的で、それだけあれば4人家族で1~2日はしのぐことが出来ます。
非常用水の確保としても優れた性能を持っており、防災の観点からも心強い存在です!
火を使わないため安全性が高い

エコキュートは電気のみでお湯を沸かすため、火を使うガス給湯器と比較して火災や一酸化炭素中毒のリスクは低いと言われています。
特に小さなお子さまや高齢者のいらっしゃるご家庭では、安全性を重視した設備として安心してお使いいただけます。
エコキュートを導入する前に知っておきたい注意点
エコキュートは光熱費の節約や環境面でのメリットが多い給湯システムとして知られていますが、一方で導入を検討する際に「本当に自分の家に合っているのか」「不便はないのか」といった不安を感じる方も多いと思います。
実際、エコキュートはメリットだけでなく、注意点も存在するため注意が必要です!
ここでは、エコキュートを導入する前に知っておきたいポイントについて詳しくご紹介いたします!
①導入コストが大きい
エコキュートは本体価格や設置工事費を含めると、導入時に約40~60万円前後の初期費用がかかることが一般的です。
従来のガス給湯器などに比べて高額であるため、導入する上で高いハードルとなってしまう部分だと思います。
ただし、エコキュートは「ヒートポンプ技術」によって電気を効率よく使用し、給湯にかかるランニングコストを大幅に抑えられる仕組みとなっています。
年間の光熱費が大幅に削減できるため、7〜10年程度で初期投資を回収できるケースも多いです。
また、自治体によってはエコキュート導入に対して補助金を交付しているところもあります。
初期費用を抑えつつエコキュートを導入する事が出来るため、さらにお得です!
②シャワーの水圧が弱め
実際、エコキュートは貯湯タンクにためたお湯を使う仕組みのため、一般的なガス給湯器に比べて水圧がやや控えめになる傾向があります。
特に、2階でシャワーを使用する場合や複数の水まわりを同時に使うようなシーンでは、水の勢いが物足りなく感じられるかもしれません。
ただし、最近では「高圧タイプ」のエコキュートも各メーカーから登場しており、これを選ぶことで水圧の問題をかなり軽減することができます。
シャワーの使用感を重視される場合は、「高圧タイプ」を選ばれることがおすすめです。
③夜間の「運転音」が気になる場合がある
節約につながる大きなメリットと言えますが、その一方で気を付けたいのが「運転音」です。
貯湯タンクの隣にある「ヒートポンプユニット」からは、運転時にファンの回転音やコンプレッサーの作動音が発生します。
音の大きさ自体はエアコンの室外機と同程度とされていますが、夜間の静かな時間帯では意外と気になる方もいらっしゃいます。
しかし、こちらも各メーカーより「低騒音設計」や「夜間静音モード」が搭載されたモデルも増えてきています。
「就寝中の運転音が気になりそう...」とご心配される方は、チェックしてみましょう。
まとめ
エコキュートは、ヒートポンプ技術による高効率な給湯と夜間電力の活用による電気代の節約が期待できる家計に優しい給湯システムです。
ただし、状況によっては「思ったよりも節約効果が得られなかった...」という感じる事もあるため、そうした場合は電気料金プランの見直しや機器の設定、お湯の使い方を見直してみましょう。
また、初期費用の高さがネックに感じられるかもしれませんが、長期的に見ればコストパフォーマンスに優れた選択肢の一つといえるでしょう。
ぜひ、ご家庭のライフスタイルに合った形で導入をご検討ください!
ミズマワリフォームでは、エコキュートの導入に関するご相談もお待ちしております!
・エコキュートの導入を検討している
・エコキュートについてもっと知りたい!
・我が家にマッチしたエコキュートの種類を提案して欲しい
上記の様なご要望をお持ちの方がおられましたら、ぜひミズマワリフォームにご相談ください!