エコキュートのデメリットとは?導入前に知っておくべき注意点と対策

エコキュートは、光熱費の削減や環境への配慮に優れた給湯システムとして注目されています。特に、ヒートポンプ技術を活用して、効率よくお湯を沸かす点が魅力です。
しかし、導入を検討する際には、エコキュートに伴うデメリットも把握しておくことが重要です。
本コラムでは、エコキュートの主なデメリットとその対策方法を詳しく解説し、導入前に知っておくべきポイントをお伝えします。
目次 【表示】 【非表示】
- ●エコキュートとは?その仕組みと魅力
- -エコキュートの基本的な仕組み
- -エコキュートを選ぶ理由とメリット
- ●エコキュートのデメリットとは?
- -初期費用が高い
- -設置スペースの確保が必要
- -湯切れのリスク
- -夜間の運転音が気になる?
- -シャワーの水圧が弱くなる可能性
- -飲用としてはおすすめできない
- -寒冷地や地域条件による影響
- ●エコキュートのデメリットへの対策
- -初期費用を抑える方法
- -設置スペースの工夫と選び方
- -湯切れ対策と容量選び
- -運転音を気にしないための設置方法
- -水圧問題への対応方法
- -飲用水の確保方法
- -寒冷地仕様の選定と凍結対策
- ●エコキュートを長く使っていくために
- ●まとめ:エコキュートのデメリットを理解することで最適な選択が可能に!
エコキュートとは?その仕組みと魅力
エコキュートは、再生可能エネルギーを利用してお湯を効率よく沸かすための電気給湯機です。
特にヒートポンプ技術を活用し、周囲の大気中の熱を取り込んでお湯を作るため、環境に優しく、ランニングコストも大幅に削減できます。
家庭で使うお湯を作るために利用する電気エネルギーは少なく、効率的に大気の熱を取り込むため、非常に経済的なエネルギー源となっています。
エコキュートは、その省エネ性能や環境への配慮だけでなく、日常生活においても非常に便利な機能を提供しており、多くの家庭で注目されています!
その仕組みと魅力について、さらに詳しく見ていきましょう。
エコキュートの基本的な仕組み

エコキュートは、基本的に「ヒートポンプユニット」と「貯湯タンク」の2つの主要部分で構成されています。
この仕組みを簡単に説明すると、以下のようになります。
大気中の熱の取り込み
ヒートポンプユニット内に設置された熱交換器は、大気中の空気から熱を取り込みます。
この熱は、ヒートポンプ技術を用いて集められ、次の処理へ進みます。
圧縮による高温化
取り込んだ熱を冷媒(CO₂など)が吸収し、ヒートポンプ内で圧縮されて高温に変化します。この圧縮された高温冷媒は、次に水と熱交換を行うための重要な役割を果たします。
熱交換によるお湯の生成
圧縮された冷媒は、水側の熱交換器に通され、冷媒の熱が水に伝わります。
この熱により水が加熱され、温かいお湯が作られます。
貯湯と利用
作られたお湯は貯湯タンクに貯められ、家庭で必要に応じて使用します。
このお湯は、シャワーやお風呂、キッチンで利用され、必要な時にすぐに使えるようになっています。
再利用と冷媒の循環
冷媒は再度冷却され、次のサイクルに備えて大気中の熱を取り込みにいきます。
これが繰り返されることで、効率的にエネルギーを使用し続けることができます。

エコキュートの仕組みは非常にエネルギー効率が高く、温暖な気候条件下でも十分に活用できるため、多くの家庭に導入されています。
エコキュートを選ぶ理由とメリット

エコキュートを選ぶメリットについて、詳しく見ていきましょう。
光熱費の大幅削減
エコキュート最大のメリットは、低コストでお湯を沸かせる点です。
ガス給湯器と比べて光熱費が最大で1/3~1/4程度に削減できると言われています。
特に、割安な夜間電力を使用してお湯を沸かすため、電気代を節約できる点が魅力的です。
家庭で使用するお湯を低コストで賄うことができるので、長期的にはかなりの経済的メリットがあります。
環境への配慮
このため、CO₂の排出量を大幅に削減することができ、地球温暖化防止に貢献します。
エネルギー効率が非常に高く、少ない電力で多くの熱エネルギーを生み出せるため、環境負荷を低減できる点が大きな魅力です。
災害時の備えとしての利点
停電や断水時でも、タンクに蓄えられたお湯を利用することができ、生活用水としても役立ちます。
例えば、手洗いやトイレ、洗濯など、災害時に非常に重宝します。
このように、日常生活に加え、万が一の災害時にも活用できる点は、エコキュートの大きな魅力の一つです。
火災リスクの低減
ガス漏れや一酸化炭素中毒などの危険も回避でき、家庭内での安全性が向上します。
特に長期的なコスト削減を目指す家庭や、エコ意識の高い方々にとっては非常に魅力的な選択肢と言えるんですね!
エコキュートのデメリットとは?

エコキュートは、その高い省エネ性能や環境への配慮から多くの家庭で導入が進んでいますが、いくつかのデメリットも存在します。これらのデメリットを理解しておくことが、エコキュートを導入する際の重要なポイントとなります。
エコキュートの主なデメリットについて詳しく見ていきましょう!
初期費用が高い
エコキュートの導入には、機器代と設置工事費を合わせて40万円〜60万円程度が相場となっており、ガス給湯器や石油給湯器と比較してもかなりの高額となります。
また、設置工事によっては、配管工事やスペース調整が必要になることもあり、さらにコストがかかる場合があります。
設置スペースの確保が必要
エコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクの2つの主要なユニットで構成されています。このため、先述したように設置には一定のスペースが必要です。特に、貯湯タンクはかなりの大きさがあるため、設置場所に十分な広さが求められます。
家庭のトイレや浴室、キッチンの近くに設置することが多いため、設置スペースが限られている場合には、予めスペースの確保が重要です。
湯切れのリスク
エコキュートは貯湯式のため、一度に大量のお湯を使用すると「湯切れ」のリスクがあります。
特に、家族全員が一斉にお湯を使う場合や、来客時に大量のお湯を使用する場合、貯湯タンクに蓄えてあるお湯がすぐに使い果たされてしまうことがあるのです。
夜間の運転音が気になる場合
エコキュートは、夜間にお湯を沸かすことで、割安な夜間電力を利用してランニングコストを抑える仕組みになっています。しかし、この際、運転音が発生することがあります。
特に、ヒートポンプユニットが運転中に発生する音は、40デシベル程度とされており、静かな図書館程度の音量ですが、低周波の音が気になることもあります。
シャワーの水圧が弱くなる可能性
エコキュートは貯湯式の給湯システムのため、水道直圧で給湯されるガス給湯器と比べて、シャワーの水圧が弱く感じられることがあります。
水道水の圧力をそのまま利用するガス給湯器と異なり、エコキュートは貯湯タンク内の水を使用するため、圧力が低くなる場合があるんですね。
飲用としてはおすすめできない
エコキュートで沸かしたお湯は、飲用には適していないとされています。そのように言われている2つの理由についてご紹介します。
1つ目は、水道法に基づく厳格な水質基準を満たしていないから…ということです。
水道法では、飲用水が人体に安全かどうかを51項目で判定しており、その基準をクリアしたものだけが飲料水として認められます。
エコキュートでは、温められた水道水が長時間タンク内に貯蔵されるため、カルキ(残留塩素)が抜けてしまいます。カルキは水道水の殺菌成分であり、カルキが抜けた水は水質基準を満たさなくなるため、飲用には適していない、ということなんですね。
2つ目は、タンク内で水が長時間滞留することによる汚れや不純物の付着です。
通常、エコキュートは高温で沸かされたお湯が循環しており、滅菌状態が保たれていますが、使用していない時にタンク内の温度が下がることで滅菌状態が維持されなくなってしまいます。
そのため、水道水に含まれる汚れや不純物がタンク内に沈殿する可能性があり、飲用に適さない状態になってしまいます。
寒冷地や地域条件による影響
エコキュートは、外気温に依存するヒートポンプ技術を使用しています。
これにより、特に寒冷地では、外気温が低くなるとヒートポンプの効率が低下し、お湯を沸かすために必要なエネルギーが増加する可能性があります。
そのため、冬場には光熱費が上がる可能性があり、特に寒冷地での利用には注意が必要です。
エコキュートのデメリットへの対策

ですが、効果的な対策を講じることで、快適にエコキュートを使用することができます。
ここでは、エコキュートのデメリットを解決するための対策を詳しく解説します。
初期費用を抑える方法

補助金の活用
多くの自治体では、エコキュートの導入に対する補助金制度を設けています。
地域によっては、数万円~数十万円の補助金を受け取ることができるため、これを活用することで初期費用を大幅に削減できます。
リースサービス・ローンの利用
一括での支払いが難しい場合は、ローンを組んだりリースサービスを利用することも一つの方法です。
ローンやリース契約を結ぶことで、「一括で多額の出費」から「月々で少量の支払い」に分割でき、初期費用の負担を軽減できます。
価格比較とセール時期を狙う
年末年始やボーナスシーズン、またはキャンペーン期間を利用すると、割引価格で購入できる場合があります。
設置スペースの工夫と選び方

エコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクを必要とし、一定の設置スペースが求められます。
設置スペースが限られている場合、以下の対策を講じることでスペースを有効活用できます。
薄型タイプを選ぶ
エコキュートには、薄型の貯湯タンクが存在します。
これを選ぶことで、スペースを節約しながら、効率的に設置できます。狭い場所に設置する場合は、薄型タイプを選ぶのがベストです。
設置場所の工夫
もし設置場所が狭い場合は、屋外に設置する方法も考慮できます。屋外設置の場合、防水対策や風雨からの保護が必要になります。
高圧給湯タイプの選定
高圧給湯タイプを選ぶことで、設置スペースに余裕がなくても、必要な水圧を確保することができます。
圧力不足が気になる場合は、これを選ぶと良いでしょう。
湯切れ対策と容量選び

エコキュートでは、貯湯タンク内のお湯が無くなると水しか出ないという特性があります。
湯切れを防ぐためには、適切な容量を選ぶことが重要です。
家族の人数に合った容量選び
一般的に、4人家族であれば370L程度のタンク容量が目安となります。
家族の人数やお湯の使用量を考慮し、適切な容量を選ぶことが湯切れ対策になります。
「沸き増し機能」の活用
多くのエコキュートには、自動でタンクの水位を調整してお湯を追加する機能がついていますよ。
容量を少し多めに選ぶ
普段より少し多めの容量を選んでおくことで、湯切れを防ぐことが可能です!
特に、お湯の使用量が多い家族やシャワーを頻繁に使用する家庭では、容量に余裕を持たせることをおすすめします。
運転音を気にしないための設置方法

設置場所を工夫する
運転音が気になる場合、設置場所を寝室やリビングから遠くにすることが最も効果的です。
ヒートポンプユニットを外に設置する場合、音が届きにくい場所を選びましょう。
防音対策
設置場所に防音材を取り入れることも、音の伝播を抑えるために有効です。
特に、住宅の構造や音の影響を受けやすい場所には、防音材を使用することを検討してみてください。
水圧問題への対応方法

水圧を気にしないためには、高圧力型のエコキュートを選ぶことが効果的です。
高圧給湯型を選ぶ
水道直圧タイプを選ぶ
水道直圧タイプのエコキュートは、水道水の圧力をそのまま使用できるため、水圧が気になる場合に効果的です。特にシャワーの水圧を重視する家庭におすすめです。
飲用水の確保方法

飲用水を確保するためには、以下の方法を検討してみましょう。
浄水器の設置
家庭用の浄水器を使うことをおすすめします。
水道水の直接使用
飲用水が必要な場合、エコキュートの水は生活用水専用として使用し、飲み水は水道水や市販のミネラルウォーターを使うようにしましょう。
寒冷地仕様の選定と凍結対策

エコキュートは、寒冷地での効率が低下することがあるため、寒冷地で使用する際は特別な対策が必要です。
寒冷地仕様のエコキュートを選ぶ
寒冷地では、寒冷地仕様のエコキュートを選ぶことが重要です。
これらは、最低気温がマイナス25℃まで対応できるよう設計されており、凍結防止機能が搭載されています。
凍結防止対策
寒冷地では、配管の凍結防止のため、少量の水を常に流しておく方法や、お風呂に水をためておくことが推奨されます。また、耐塩害仕様が必要な地域では、塩害に対応したエコキュートを選びましょう。
エコキュートを長く使っていくために

エコキュートを長く使い続けるためには、以下の点を意識することが重要です。
定期的な点検とメンテナンス
故障の予防
エコキュートは、長期間使用することで劣化が進行する場合もあります。故障を未然に防ぐために、3年ごとの点検をおすすめします。定期的なメンテナンスをすることで、長期間安定した性能を維持できます。
専門業者への依頼
エコキュートに不具合が発生した場合、専門の業者に依頼することが重要です。修理費用が発生する場合もありますが、適切な修理を行うことで、再び正常に稼働し、エコキュートの性能を最大限に活かすことができます。
まとめ:エコキュートのデメリットを理解することで最適な選択が可能に!
エコキュートは、光熱費の削減や環境への配慮など、多くのメリットがある素晴らしいシステムです。
しかし、初期費用や設置スペースの確保、湯切れのリスクなど、いくつかのデメリットも存在します。
今回ご紹介したデメリットを理解し、自分のライフスタイルや家庭環境に合ったエコキュートを選ぶことが、後悔のない選択をするための重要なポイントです!
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