【完全ガイド】潜熱回収型給湯器(エコジョーズ)とは?仕組み・メリット・費用・注意点を徹底解説

給湯器を選ぶとき、「省エネ性能」や「ランニングコスト」を気にされる方は多いのではないでしょうか。
近年注目されているのが、排気熱を再利用して高効率にお湯をつくる潜熱回収型給湯器(エコジョーズ)です。
従来型に比べてガス使用量とCO2排出量を約13%削減でき、家計にも環境にもやさしい暮らしを実現します。
本記事では、エコジョーズの仕組みやメリット・デメリット、エコキュートとの比較、購入・設置時のポイントまで、導入を検討する際に知っておきたい情報を詳しく解説します!
目次 【表示】 【非表示】
- ●潜熱回収型給湯器(エコジョーズ)とは
- -従来型給湯器との違い
- -「潜熱回収」とは何か
- -エコジョーズの誕生と普及の歩み
- ●エコジョーズ導入のメリット
- -光熱費削減と省エネ効果
- -CO2削減と環境への貢献
- -コンパクト設計と設置のしやすさ
- -多用途に対応する利便性(床暖房・浴室暖房乾燥機など)
- -ガス会社の割引制度と経済的メリット
- ●導入前に知っておきたいデメリットと注意点
- -初期費用の高さと補助金活用
- -ドレン排水の発生と処理方法
- -設置条件の制約(スペース・排気・吸気)
- -運転音や中和器交換の必要性
- ●他の高効率給湯器との比較
- -エコジョーズ
- -エコキュート
- ●購入・設置・交換時のポイント
- -購入先と主要メーカー
- -戸建て・集合住宅での設置条件
- -補助金やサポート制度の活用方法
- ●まとめ:エコジョーズの導入をお考えならミズマワリフォームにお任せください!
潜熱回収型給湯器(エコジョーズ)とは

そのお湯を効率的に沸かすために登場したのが、潜熱回収型給湯器=エコジョーズです。
従来の給湯器では使わずに排出されていた熱を再利用することで、少ないガスで効率的にお湯をつくることができます。
光熱費の節約とCO2排出削減を同時に実現することから、今では環境にやさしい給湯器の代表格といえる存在です!
従来型給湯器との違い
従来のガス給湯器は、燃焼によって生じる高温の排気ガスをそのまま外に出していました。その排気温度はおよそ200℃にも達し、本来なら再利用できるはずの熱を“無駄”にしていたのです。
一方でエコジョーズは、排気の中に含まれる水蒸気が水に変わるときに発生する熱(潜熱)を回収する仕組みを備えています。排気ガスを50℃程度まで下げ、その際に生じる潜熱を取り出して水をあらかじめ温めることで、必要なガスの使用量を減らしています。
この「予熱」のおかげで、従来よりも少ないエネルギーでお湯を沸かせるのです。
これにより、従来型の熱効率80%前後に対して、エコジョーズは95%前後という高効率を実現しています。
つまり、同じお湯を沸かすにも、従来型より少ないガスでまかなえる=光熱費を抑えられるというのが大きな違いです。
「潜熱回収」とは何か
身近な例でいうと、湯気が窓に触れて水滴に変わるとき、少し暖かさを感じることがあります。これが潜熱です。
エコジョーズは、この潜熱を逃さずキャッチするために2次熱交換器を搭載しています。
2次熱交換器

従来型の給湯器には一次熱交換器しかありませんでしたが、エコジョーズには二段構えの熱交換器が搭載されています。
一次熱交換器…ガスの燃焼で直接水を温める部分
二次熱交換器…排気に含まれる水蒸気から潜熱を回収し、水を予熱する部分
この二次熱交換器によって、これまで見過ごされてきた熱エネルギーを徹底的に利用できるようになりました。排気の熱で水をあらかじめ温めることで、少ないガス量でも効率的に設定温度まで上げることができます。
例えるなら、料理で出た「出汁がら」からもう一度旨味を取り出すようなイメージです。最後まで使い切ることで無駄をなくしているのです。
まさに「もったいない熱を最後まで使い切る」仕組みが、潜熱回収型給湯器の大きな特長なのです。
エコジョーズの誕生と普及の歩み
エコジョーズは2002年10月に業界統一名称として登場しました。
実はその2年前、大阪ガスが「プリオール・エコ」という商品名で先行販売しており、これが普及のきっかけとなりました。
発売当初は「新しい給湯器は高そう」「設置が大変なのでは」という声もありましたが、環境意識の高まりとともに普及が加速。
2022年3月時点では累計1,200万台以上が販売され、政府は2030年度までに3,050万台の普及を目標に掲げています。
この背景には、家庭のエネルギー消費の約3割を占める「給湯分野」での省エネ化が重要視されていることがあります。
光熱費の節約だけでなく、地球温暖化防止に直結する取り組みとして、国や業界団体が一丸となって推進しているのです!
将来的には「家庭で使うガス給湯器はエコジョーズが当たり前」という時代が訪れる可能性も高いでしょう。
エコジョーズ導入のメリット

ここでは、光熱費の節約から環境への貢献まで、導入する価値を具体的にご紹介します。
光熱費削減と省エネ効果
従来型よりガス使用量を約13%削減できるため、毎月のガス料金が自然と抑えられます。
年間にするとおよそ7,000円~2万円、暖房機能付きのタイプでは3万円近くの節約になる場合もあります(※あくまで目安です)。
「お湯は毎日使うもの」だからこそ、この省エネ効果は家計にしっかりと反映されます。
CO2削減と環境への貢献
日本では「低炭素社会の実現」を掲げ、エネルギー消費の削減と再利用技術の普及を進めています。その中でエコジョーズは、家庭部門における省エネ対策の切り札のひとつと位置づけられています。エコジョーズは家庭でのCO2削減に直結する機器でもあります。
家庭で消費されるエネルギーのうち、約30%が給湯に使われているといわれています。
ガス消費量が減ることで、CO2排出量も約13%カット。これは杉の木に換算すると年間12.6本分のCO2吸収量に相当します。
つまり「給湯器を変えるだけ」で、家計の負担を減らしながら地球温暖化防止にも貢献できるのです。ちょっとした選択が、未来の環境を守る一歩につながります。
コンパクト設計と設置のしやすさ
エコジョーズは瞬間湯沸かし式のため、貯湯タンクが不要です。
その分コンパクトで、戸建てだけでなくマンションのベランダのような限られたスペースにも設置しやすいのが特長です。
「うちのベランダは狭いから無理かも…」と不安に思われる方もいますが、多くの場合問題なく取り付けが可能です。設置条件さえ整えば、スペースを圧迫することなく快適な給湯環境を実現できます。
多用途に対応する利便性(床暖房・浴室暖房乾燥機など)
エコジョーズは単なる「お湯をつくる機械」ではありません。
給湯能力が高いため、床暖房・浴室暖房乾燥機・ミストサウナなど、温水を使った多彩な設備にも対応できます。
寒い季節に足元から温めてくれる床暖房や、雨の日に洗濯物を乾かせる浴室暖房乾燥機など、暮らしをより快適にしてくれる機能と組み合わせられるのは大きなメリットです。
ガス会社の割引制度と経済的メリット
エコジョーズを導入すると、ガス会社の割引制度を利用できる場合があります。
たとえば大阪ガスの「エコジョーズ料金」では、通常の料金から約4%割引が適用されます。事業者によっては2〜5%の割引が設定されているケースもあり、光熱費削減効果をさらに後押ししてくれるのです。
つまり、エコジョーズは「省エネ性能そのもの」だけでなく、「料金プラン面」でもお得さを実感できる給湯器といえます!
導入前に知っておきたいデメリットと注意点

ここでは代表的なデメリットと、その対策について見ていきましょう。
初期費用の高さと補助金活用
従来の一般型給湯器に比べて、エコジョーズは購入時の初期費用がやや高めです。
機器本体の価格に加えて、ドレン排水工事が必要になることもあり、費用は30万円前後が目安となります(※設置条件やメーカーにより変動)。
ただし、高効率である分、ランニングコストは低減するため、長期的にみれば十分に元が取れるケースがほとんどです。
また、国や自治体の補助金を活用すれば初期費用を抑えることも可能ですので、導入時には最新の支援制度を確認すると良いでしょう。
ドレン排水の発生と処理方法
エコジョーズの仕組み上、排気ガス中の水蒸気を冷却する過程で「ドレン排水」と呼ばれる結露水が発生します。
この水には窒素酸化物(NOx)が微量に含まれており酸性を帯びていますが、給湯器に搭載されている中和器でpH7程度に処理したうえで排出されます。
ドレン排水の量は1日あたり0.5〜1.5L程度とわずかですが、原則として排水管につなげる必要があります。
排水経路が確保できない場合は設置が難しいため、工事前に必ず確認が必要です。
設置条件の制約(スペース・排気・吸気)
エコジョーズは本体がコンパクトですが、設置条件に一定の制約があります。
特に注意したいのは、給湯器前面の排気口や吸気口を塞がないこと。設置場所によっては排気カバーやアダプターで方向を調整する工事が必要になる場合があります。
また、集合住宅では既存の排気筒や給排気方法との適合を確認する必要があり、場合によっては取替えができないケースもあります。事前にガス事業者や施工業者へ相談することをおすすめします。
運転音や中和器交換の必要性
エコジョーズは排気熱を回収するため、運転時にエアコン室外機と同程度の音が発生します。日常生活で大きな支障はありませんが、静音性を重視する方は注意が必要です。
また、ドレン排水を処理する中和器は消耗品です。使用状況により寿命は異なりますが、機能が低下すると安全装置が作動して給湯器が停止します。そのため、定期的な点検や交換が欠かせません。
他の高効率給湯器との比較
どちらも省エネ性能が高い点は共通していますが、仕組みや設置条件、コスト面に違いがあります。
それぞれの特徴を整理し、導入の参考になる情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
エコジョーズ

エネルギー源と方式
タンクが不要で必要なときにすぐお湯が使えるため、湯切れの心配がありません。
初期費用の目安
エコキュートより導入費用が抑えやすい点が魅力です。
ランニングコスト
設置条件と使用シーン
また、キッチン・洗面・お風呂で同時にお湯を使っても湯切れが起きにくく、急にお湯が必要になる家庭に最適です。
エコキュート

エネルギー源と方式
タンクにお湯を貯めるため、大量使用時には湯切れの可能性があります。
初期費用の目安
エコジョーズより導入費用は高めです。
ランニングコスト
設置条件と使用シーン
また、計画的にお湯を使う家庭やオール電化住宅では特に相性が良い選択肢です。
「使いたいときにすぐ使える便利さ」ならエコジョーズ
「電気主体の家庭で効率よくお湯を確保したい」ならエコキュート
が適しています。
購入・設置・交換時のポイント

購入先と主要メーカー
製造している主要メーカーは以下の通りです。
リンナイ(Rinnai)
ノーリツ(NORITZ)
パロマ(Paloma)
パーパス(PURPOSE)
戸建て・集合住宅での設置条件
集合住宅の場合はもう少し注意が必要です。以下の点を確認する必要があります。
・機器の寸法が既存のスペースに収まるか
・排気筒や給排気方式が適合するか
・ドレン排水を適切に処理できるか
場合によっては取り替えが難しいケースもあるため、事前にガス事業者や管理組合、メーカーに相談することをおすすめします。
補助金やサポート制度の活用方法
また、大手ガス事業者は、以下のようなサポート体制を整えています。
・オンライン見積もり:費用感を事前に把握可能
・専門スタッフによる設置工事:安心して任せられる
・修理対応(年中無休):急なトラブルにも対応
・保証制度:期間内の無償修理など
これらを活用することで、購入から設置後のメンテナンスまで安心して利用できます。
まとめ:エコジョーズの導入をお考えならミズマワリフォームにお任せください!
エコジョーズは、これまで捨てられていた排気熱を再利用することで高効率な給湯を実現し、光熱費の削減とCO2排出量の抑制を同時に叶える次世代型のガス給湯器です。
コンパクトで扱いやすく、多用途に対応できる点からも、多くのご家庭で選ばれている設備といえます。
しかし、実際に導入する際には「初期費用の高さ」や「ドレン排水の処理」、「設置条件の確認」など、注意すべきポイントがいくつかあります。
これらを適切に判断するためには、給湯器の特性を理解し、経験豊富な施工業者に相談することが欠かせません。
ミズマワリフォームでは、地域に密着したリフォーム会社として、エコジョーズの設置・交換をはじめ、ガス機器全般のご相談を承っております!
補助金を使った導入のご案内も行っており、初期費用のご負担をできる限り軽減できるようサポートいたします。
さらに、専門スタッフが現地調査からアフターサービスまで一貫して対応いたしますので、安心してお任せいただけます。
もしエコジョーズの導入をお考えなら、ぜひ一度ミズマワリフォームまでお気軽にご相談ください。
快適で環境にやさしい暮らしを、私たちが全力でお手伝いいたします!