タンクレストイレの仕組み・メリット・デメリットとは?人気メーカー3社の特徴や価格の目安を解説!

近年、住宅のトイレ空間にもスタイリッシュさや機能性が求められるようになり、「タンクレストイレ」を選ばれる方が増えています。
スッキリとした見た目や掃除のしやすさ、最新機能も搭載されているタンクレストイレは住まいの快適性を一段と高めてくれる存在です!
しかし、当然ですがタンクレストイレは従来のタンク式トイレとは仕組みが大きく異なります。
そのため、設置前にはその特徴やメリット・デメリットをしっかりと理解しておくことが大切です。
また、各メーカーによって搭載されている機能や価格帯にも違いがあり、「どの製品を選ぶべきか分からない...」と迷ってしまう事も多いと思います。
この記事ではタンクレストイレの仕組みや利便性に加え、導入時に気をつけたいポイント、費用の目安、主要メーカー別の特徴などを詳しくご紹介いたします!
目次 【表示】 【非表示】
- 〇タンクレストイレとは?仕組みと特徴を解説
- -「タンクレス」と「タンク式」との違いについて
- -タンクレストイレはいつから普及した?
- 〇タンクレストイレが持つ5つのメリットとは?
- -①省スペースで空間を有効活用できる
- -②掃除のしやすさで毎日が快適
- -③デザイン性の高さも魅力
- -④連続洗浄が便利
- -⑤節水・節電効果による光熱費の削減
- 〇設置前に知っておきたい!タンクレストイレの5つのデメリット
- -①手洗い器の設置が別途必要になる場合も
- -②停電時に使用できない可能性がある
- -③部分的な交換が難しい
- -④設置には一定の水圧が必要
- -⑤価格がやや高め
- 〇タンクレストイレのリフォーム費用と工期の目安
- -本体価格のグレードと機能について
- -工事の流れと工期の目安
- -手洗い器設置や内装工事の追加費用について
- 〇主要メーカー別 タンクレストイレの特徴と選び方
- -TOTO|ネオレストシリーズ
- -LIXIL|サティスシリーズ
- -パナソニック|アラウーノシリーズ
- -タンクレストイレを比較するポイント
- 〇まとめ
タンクレストイレとは?仕組みと特徴を解説

一般的なタンク式トイレでは便器の背面に設置されたタンクに水をためておき、レバーやボタンを押すことでタンクの水を一気に流して排水します。
一方、タンクレストイレは水道の圧力をそのまま利用して水を流すため、排水のためにタンク自体を必要としません。
そのため、トイレ本体が非常にコンパクトですっきりとした印象になります。
スペースに余裕のないトイレ空間でも圧迫感がなくデザイン性も高いため、近年では住宅リフォームの際に選ばれることが増えてきました。
凹凸の少ない形状により、お手入れがしやすい点も人気の理由のひとつです!
「タンクレス」と「タンク式」との違いについて

タンク式は水をいったんタンクにためてから排水する仕組みのため、水がたまるまで次の洗浄が出来ません。
特に来客時など連続して使用したい場面では、不便に感じられた方も多いのではないしょうか。
一方で、タンクレストイレは水道の水圧を利用して直接洗浄を行う「水道直結式」が採用されています。
排水のために水がたまるのを待つ必要がなく、連続使用にも対応可能です!
ただし、タンクレストイレには一定の「水圧」が必要となります。
水圧が基準に満たない場合は十分な洗浄力が得られないことがあり、「ブースターポンプ」の設置などが必要となる場合もあります。
タンクレストイレはいつから普及した?
日本におけるタンクレストイレの登場は、1990年代後半から2000年代初頭にかけてです。
当初は業務用施設やホテル、高級住宅などを中心に導入されていましたが、技術の進化とともに家庭用としても広く普及するようになりました。
特に2000年代以降、節水や省スペース、清掃性の高さが注目され、リフォームや新築住宅における標準設備として導入されるケースが増加しました。
また、各メーカーがデザイン性や機能性を重視したモデルを次々と発表したことで、タンクレストイレは「おしゃれで高機能なトイレ」として多くの方に選ばれるようになりました。
さらに、近年では感染症対策として非接触操作や自動洗浄機能などの需要も高まり、そのの存在感は年々高まっています。
機能性と快適性を兼ね備えた設備として、ますます注目される存在です!
タンクレストイレが持つ5つのメリットとは?
そこで、代表的な5つのメリットについて以下に詳しくご紹介させていただきます。
①省スペースで空間を有効活用できる

背面にタンクがない分、トイレ空間がすっきりと広く使えるようになります。
特に、もともとスペースが限られている事の多い日本の住宅事情においては、空間の有効活用という点で大きなメリットと言えます!
また、圧迫感が少なく動作の自由度も向上するため、特に高齢の方やお子さまが使いやすいトイレ環境を整えることにもつながります。
収納スペースを設けたり、手洗い器を別に設置する余裕が生まれるのも嬉しいポイントです。
②掃除のしやすさで毎日が快適

埃も蓄積されにくいため、拭き掃除もスムーズに行えるのが特徴です。
また、多くのモデルでは抗菌加工やフチなし形状など、清掃性に配慮された設計が施されています。
こまめな掃除をしなくても、清潔な状態を保ちやすい仕様になっていることも大きな魅力です!
③デザイン性の高さも魅力

タンクがないことで高さも抑えられるため、スリムでスッキリとしたフォルムになります。
近年では住宅全体のインテリアとの調和を考え、トイレ空間のデザインもこだわる方も増えています。
カラーや形状、素材のバリエーションも豊富であるため、ライフスタイルや好みに合わせて選ぶ楽しさも広がります。
④連続洗浄が便利

タンク式トイレでは、1回使用するごとにタンクに水がたまるのを待たなければなりません。
特に来客時やご家族が続けて使用する場面では、この「待ち時間」を不便に感じられる方も多いと思います。
その点、タンクレストイレは水道直結型のため、連続して使用しても問題ありません。
次の人がすぐに使用できるため、家族の人数が多いご家庭や朝の忙しい時間帯などにも非常に便利です。
「タンクレストイレに変えて良かった!」と一番に感じられるポイントかもしれません!
⑤節水・節電効果による光熱費の削減
タンクレストイレは、最新の技術によって従来のトイレよりも少ない水量でしっかりと汚れを洗い流すことができます。
一般的には1回あたり約4~6リットルの水量で洗浄が可能で、13リットル以上を使用する従来型のトイレと比べると約半分の水量で済みます!
また、電動ポンプや便座の自動暖房など電気を使う便利機能が搭載されていることから、「電気代が高くなるのでは…」とご心配される方もいらっしゃると思います。
しかし、近年のタンクレストイレは省エネ設計が進んでおり、必要最低限の電力で効率よく動作するよう工夫されています。
タンクレストイレを導入する事は、水道・電気代などの光熱費の負担を抑えることにも繋がります!
設置前に知っておきたい!タンクレストイレの5つのデメリット
デメリットを把握せずに導入してしまいますと、「思っていたより使いにくい...」と後悔してしまう可能性もあります。
次に、タンクレストイレの注意点・デメリットとなる5点を詳しくご紹介いたします。
①手洗い器の設置が別途必要になる場合も

そうしたケースでは、手洗い器の設置が別途必要になります。
新築時であれば問題ありませんが、手洗い器を後から設置するには配管工事やスペースの確保が必要になります。
トイレリフォームでタンクレストイレを設置する場合、忘れずに検討しておきたいポイントです!
②停電時に使用できない可能性がある

そのため、停電時には通常通り使用できないケースがある点にも注意が必要となります。
機種によっては手動洗浄機能が備わっている場合もありますが、対応していないモデルも存在します。
そのため、導入前に確認しておくことが大切です。
③部分的な交換が難しい

タンクレストイレは、便器と便座、洗浄機能などが一体となった構造になっている製品が多く見られます。
そのため、故障や劣化が起きた場合でも部分的な交換が難しく、まるごと本体の交換が必要になることがあります。
一方、タンク式トイレや分離型トイレでは便座だけを取り替えることができるなど、メンテナンス性に優れた側面があります。
タンクレストイレを選ぶ際は、将来的なメンテナンス費用や修理のしやすさについても事前に確認しておくと安心です。
④設置には一定の水圧が必要
特に、戸建住宅の2階や3階など水圧が低くなりやすい場所では、十分な洗浄力が得られない可能性があります。
また、古い住宅や高台にあるお住まいでは、地域によって水圧の条件が合わないこともあるため、事前に設置場所の水圧を調査しておくことが大切です。
必要に応じて、ブースターポンプの設置などの対応が必要になる場合もあります。
⑤価格がやや高め
また、機種によっては設置に追加工事が必要になることもるため、その分トータルコストも大きくなります。
ただし、タンクレストイレへの交換は多くの場合において、節水・節電効果による光熱費の削減に繋がります。
費用面を考える上では、導入コストとランニングコストのバランスも考慮することが大切です。
「予算は限られているが、タンクレストイレの導入を検討したい」という方は、必要な機能を厳選して搭載したシンプルなモデルを選ぶのもひとつの方法です!
タンクレストイレのリフォーム費用と工期の目安
見た目のスマートさや機能性の高さは大きなメリットですが、予算や工事のスケジュールによっては魅力的な選択肢とは言えなくなってしまいます。
ここでは、タンクレストイレにリフォームする際のおおよその費用感や、工事の流れ、追加で発生する可能性のある費用についてご紹介いたします!
本体価格のグレードと機能について
タンクレストイレの本体価格は機種やメーカーによって異なり、高機能になるほどその導入コストも高額になります。
ここでは、タンクレストイレのグレードを「エントリーグレード」「ミドルグレード」「ハイグレード」に分類し、それぞれの価格帯や搭載されている機能の目安についてご紹介いたします。
グレード帯 | 価格帯の目安 | 搭載機能の目安 |
---|---|---|
ミドルグレード | 約15~25万円前後 | 節水(4.8L前後)、簡易脱臭、温水洗浄便座、壁リモコン、フチなし形状など |
ハイグレード | 約25万~35万円前後 | 高性能脱臭・除菌(ナノイー、プラズマクラスター等)、自動便ふた開閉、自動洗浄、節電、ノズル自動洗浄・除菌など |
エントリーグレード | 約35万~50万円以上 | 本体自動洗浄・除菌(UV、泡洗浄)、室内空気清浄、音声案内やスマホ連携、キャビネット一体型、人感センサーなど |
エントリーグレード(約15万~25万円前後)
パナソニック「NewアラウーノV」など
〇価格帯
本体価格10万~23万円程度、設置費込みで15万~25万円前後
〇主な機能
節水(4.8L前後)、簡易脱臭、温水洗浄便座、壁リモコン、フチなし形状など
〇特徴
上位グレードと比較して機能は絞られていますが、節水性・機能性に関して必要な機能は備わっています。
コストを重視されている方におすすめのグレードです。
ミドルグレード(約25万~35万円前後)
パナソニック「アラウーノS160」、TOTO「ネオレストAS/RS」など
〇価格帯
設置費込みで25万~35万円前後
〇主な機能
高性能脱臭・除菌(ナノイー、プラズマクラスター等)、自動便ふた開閉、自動洗浄、節電、ノズル自動洗浄・除菌、デザイン性の高さなど
〇特徴
エントリーグレードと比較して、高機能なグレード帯です。
高性能な脱臭・除菌機能に加え、ふたの開閉や洗浄を自動で行ってくれる機能も便利です
ハイグレード(約35万~50万円以上)
〇主要メーカー機種
TOTO「ネオレストLS」、LIXIL「サティスG/X」、パナソニック「アラウーノL150」など
〇価格帯
設置費込みで35万~50万円以上
〇主な機能
本体自動洗浄・除菌(UV、泡洗浄)、室内空気清浄、音声案内やスマホ連携、キャビネット一体型、人感センサーなど
〇特徴
最上位であるハイグレードモデルでは快適性と清潔性を追求した機能が搭載され、UVライトを使用した洗浄・殺菌やスマートフォンとの連携による健康管理など最新技術が多く盛り込まれています。
一方、機能性の高さに比例してやはり導入コストは大きくなります。
工事の流れと工期の目安
一般的には、以下のような作業の流れとなります!

①既存トイレの撤去
②配管や電気設備の確認・調整
③新しいタンクレストイレの設置
④動作確認と最終チェック
ただし、電源の新設や水圧の調整、床や壁の内装工事が必要な場合は2日以上かかることもあります。
あらかじめ施工業者に相談し、必要となる作業内容や工期を把握しておきましょう。
手洗い器設置や内装工事の追加費用について
手洗い器の設置には本体価格に加え給排水工事が必要となるため、5万〜15万円程度の追加費用がかかることが一般的です。
また、トイレの内装(床・壁・天井)のリフォームを同時に行う場合、さらに3万〜15万円程度の費用が必要となります。
主要メーカー別 タンクレストイレの特徴と選び方
ここでは、代表的な3メーカー(TOTO・LIXIL・パナソニック)の主力シリーズについてご紹介しながら、選び方のポイントも解説いたします。
TOTO|ネオレストシリーズ

最大の特徴は、TOTO独自の清潔技術にあります!
「きれい除菌水」や「セフィオンテクト」といった技術により、使用後も自動で便器内を除菌・洗浄し、汚れの付着を防いでくれます。
また、トルネード洗浄により少ない水でも効率よく汚れを流すことが可能です。
温水洗浄便座や脱臭機能などの快適機能も充実しており、まさに“清潔さ”と“快適性”を兼ね備えたシリーズといえます。
LIXIL|サティスシリーズ
特に注目されているのが、シリーズ独自の「鉢内除菌」や「プラズマクラスター」技術です。
空気中の菌やにおいを除去し、トイレ空間を清潔に保つ工夫がされています。
また、コンパクトなボディ設計により、限られたスペースにもフィットしやすいのが特長です。
壁リモコンによる操作やオート開閉・オート洗浄など利便性も非常に高く、快適な使い心地が魅力です。
サティスには「サティスG」と「サティスS」の2種類があり、グレードやデザインの好みによって選べるのもポイントです。
パナソニック|アラウーノシリーズ
この素材は汚れが付きにくくしかも丈夫なため、お手入れがとても簡単です。
さらに「激落ちバブル」と呼ばれるミリバブル・マイクロバブルによる自動洗浄機能が搭載されており、使用のたびに泡と水流でしっかり便器内を洗ってくれます。
特に、掃除の手間を大幅に軽減したい方に特におすすめのシリーズです
また、節水性やデザイン性にも優れており、性能と価格のバランスにおいても評価が高い製品群です。
タンクレストイレを比較するポイント
そこで、以下にタンクレストイレを選ぶ際のポイントをご紹介いたします。
清掃性:
TOTOの除菌水やパナソニックの泡洗浄など、掃除のしやすさを重視する場合に注目したいポイントです。
デザイン性:
LIXILのサティスシリーズは特にデザイン性に優れており、空間の雰囲気を重視したい方におすすめです。
節水・節電性能:
ランニングコストを重視する場合は、各社の節水・節電機能を比較する事も大切です。
価格帯:
当然ですが、高機能なモデルほど価格も高くなる傾向があります。
メーカー選びも大切ですが、予算に合わせてグレードもチェックしましょう。
設置条件:
水圧条件や設置スペースなど、住宅ごとの状況によって対応できる製品が異なる場合もあります。忘れずに確認しておきましょう。
どのメーカーの製品にもそれぞれの強みがありますので、ご自身の暮らしのスタイルやご希望に合った機能を基準に選ぶことをおすすめいたします!
まとめ
空間を広く使えるレイアウト性や掃除のしやすさ、省エネ性能など、日々の暮らしを快適にしてくれる多くのメリットがあります!
一方、水圧や停電時の使用制限、設置費用など注意すべき点もあります。
特にタンク式トイレからの交換リフォームを行う際は、手洗い器についても検討する必要がありますので注意しましょう。
ミズマワリフォームでは、タンクレストイレを導入するリフォームにもご対応可能です。
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