ユニットバスの水栓交換が「できない」と言われたら?原因とタイプ別の解決策を徹底解説
お風呂の蛇口から水漏れが発生したり、温度をうまく調節できなくなったりすると、「そろそろ新しい水栓に交換したい」と考える方もいるでしょう。
しかし、業者に相談したところ、「構造上、水栓本体だけの交換は難しい」と案内され、どう対処すればよいのか悩んでしまうものです。
ユニットバスの水栓は、設置方法や浴室の構造によって、交換のしやすさが異なります。
壁付タイプやデッキタイプのように本体交換に対応しやすいものがある一方、カウンターに組み込まれた水栓では、部品交換や専用の改修工事が必要になることもあります。
また、長年の使用による部品の劣化や、製品の生産終了などが交換方法に影響するでしょう。
このコラムでは、
・「ユニットバスの水栓交換が難しいとされる主な理由」
・「自宅の水栓タイプを見分けるポイント」
・「交換が難しい場合に検討できる対処法」
などについて解説します。
ユニットバスの水栓交換で「できない」と言われる主な理由
カウンターと水栓が一体になっている
近年のユニットバスには、洗い場のカウンターに水栓が組み込まれたタイプがあります。
すっきりとした見た目が特徴ですが、水栓の構造や取り付け方法によっては、本体だけを一般的な水栓に交換するのが難しいでしょう。
また、こうした水栓は浴室メーカーや製品ごとの仕様に合わせて設計されていることがあり、市販の水栓をそのまま取り付けられるとは限りません。
無理に取り外そうとすると、カウンターや周辺部材を傷めてしまいます。
そのため、まずはメーカーや製品の型番を確認したうえで、交換方法を検討しましょう。
壁付け水栓でも構造によって交換方法が異なる
壁付け水栓には、壁側の給水・給湯配管と水栓本体の間に、「クランク(偏心管)」と呼ばれる部材を介して取り付けるタイプがあります。
ただし、壁付け水栓であっても、製品によって接続部の形状や取り付け方法は異なります。
そのため、クランク(偏心管)を使用する一般的な壁付け水栓から、異なる構造の製品へ、既存の配管をそのまま利用して交換できるとは限りません。
交換する製品と既存の水栓で接続部の規格や配管位置が異なる場合は、アダプターなどの部材で対応できることもあります。
一方で、製品によっては配管の変更や別の施工方法が必要になるケースもあるため、既存の設置状況に応じた判断が求められます。
このように、水栓の外観だけで交換の可否を判断するのは困難です。
既存の水栓のメーカーや型番、接続部の仕様、配管の位置、取り付け状況などを確認し、適合する製品を選びましょう。
古い水栓で交換部品が入手できない
メーカーの在庫がなく、補修用部品も入手できない場合は、故障した部品だけを交換して修理することが難しくなります。
また、製品によってはメーカーが補修用部品を保有する期間が定められているため、製造終了から時間が経過すると、修理に必要な部品を入手できなくなります。
ただし、部品の供給状況や保有期間はメーカーや製品によって異なります。
水栓本体の交換を検討する際は、まず製品の型番を確認し、メーカーや専門業者に修理部品の有無を問い合わせるとよいでしょう。
配管の劣化によって水栓の取り外しが難しい
水栓本体を交換できる構造であっても、壁の内部やカウンター下にある給水・給湯配管が劣化している場合は、慎重な作業が求められます。
配管や接続部が腐食していると、水栓を取り外す際に加わる力によって部材が破損し、水漏れにつながるおそれがあるためです。
また、壁内やカウンター内部に隠れている配管は、外観から劣化の程度を正確に判断できず、実際に水栓を取り外した後、内部の状態が明らかになるケースも考えられるでしょう。
そのため、配管の状態によっては、水栓本体の交換だけでなく、周辺の配管や関連する給水設備の修繕を提案されることもあります。
作業スペースが狭く、工具が入りにくい
ユニットバスの構造によっては、水栓の裏側や配管との接続部に十分な作業スペースを確保できないことがあります。
特に、台付き水栓やカウンターに組み込まれたタイプは、設置状況によって工具を入れにくく、既存の水栓の取り外しや新しい製品の取り付けに手間がかかるケースも考えられます。
水栓の交換では、接続部のナットを回すなど、工具を使った作業が必要です。
しかし、工具を適切に操作できる空間が不足していると、作業姿勢が制限されるだけでなく、周辺部材に無理な力が加わるおそれもあります。
そのため、交換を検討する際は、実際の設置状況を確認し、無理なく安全に作業できる方法を選ぶことが重要です。
自宅のお風呂のタイプ別に見る水栓の交換しやすさ
壁付タイプ
浴室の壁に取り付けられている水栓は、比較的よく見られるタイプです。
製品の選択肢も多く、既存の水栓と新しい製品の仕様が合えば、交換できる場合があります。
壁付タイプは、給水・給湯管の接続位置や取り付け方法などを確認したうえで、適合する水栓を選びましょう。
条件が合えば、サーモスタット混合水栓など、現在より使いやすいタイプへの交換を検討できます。
ただし、製品によって取り付け条件が異なるため、交換前に適合性を確認することが大切です。
浴槽に取り付けられたタイプ
浴槽の縁に設置されている水栓は、デッキタイプと呼ばれます。
点検口などから水栓の裏側や配管にアクセスでき、既存の水栓と交換する製品の取り付け条件も適合していれば、水栓本体を交換できるケースもあります。
ただし、給水・給湯管の接続位置や水栓の取り付け穴、配管の取り回しなどの確認が必要です。
点検口の大きさや内部のスペースによって作業のしやすさも変わるため、事前に設置状況や寸法を確認したうえで、適合する水栓を選ぶことが重要です。
カウンターと一体になったタイプ
カウンターに水栓が組み込まれているタイプでは、一般的な壁付水栓やデッキ水栓のように、別の水栓をそのまま取り付けることが難しい場合があります。
メーカーや製品ごとに構造や取り付け方法が異なるため、交換を検討する際は、まず既存の水栓の型番や浴室の仕様を確認しましょう。
このタイプは、カウンターと水栓が一体的に設計されていることもあり、製品によっては専用部品の交換や、カウンターを含めた改修工事が必要になります。
一般的な水栓交換と比べて施工方法の選択肢が限られることもあるため、不具合が生じたときはメーカーや専門業者に相談するとよいでしょう。
交換が難しい水栓に対する具体的な解決策
メーカーの専用改修部材を利用する
カウンターに水栓が組み込まれたタイプでは、メーカーが製品に応じた専用の交換部品や改修方法を用意している可能性があります。
対応方法は製品によって異なり、水栓の補修部品を交換する方法のほか、カウンターや周辺部材を改修する工事が必要になることもあります。
また、浴室の仕様によっては、カウンターを撤去・交換することで、洗い場の使い勝手が変わることも考えられます。
ただし、対応できる浴室や水栓は製品ごとに異なります。
すべての一体型水栓に同じ改修方法を適用できるわけではないため、メーカーの公式情報や施工条件を確認し、対象製品に適した方法を検討することが重要です。
既存の水栓を一般的な製品へそのまま交換できない場合でも、製品の仕様に応じた専用部品や改修方法で対応できることがあります。
古い部品を交換して水栓を使い続ける
水栓本体の交換が難しい場合でも、原因がパッキンや温度調節に関わる部品などの消耗部品にあるなら、該当する部品だけを交換して改善できることがあります。
まずは水栓の品番を確認し、対応する補修部品が入手できるか調べてみるとよいでしょう。
本体を交換できない場合でも、故障の原因によっては部品交換で対応できるケースがあります。
大がかりな工事を避けられることもあるため、水漏れや操作の不具合があるときは、原因を確認したうえで修理と本体交換のどちらが適しているか検討するとよいでしょう。
浴室全体のリフォームを検討する
水栓だけでなく浴室の各所に劣化や不具合が見られる場合は、水栓の修理・交換だけでなく、浴室全体のリフォームを検討する方法もあります。
複数の設備をまとめて改修することで、個別に修理を繰り返すよりも効率的に浴室の使い勝手を改善できる場合があります。
水栓の交換や部分的な修理が難しい状況でも、必ずしも浴室全体のリフォームが必要になるとは限りません。
浴室の状態や今後の使用年数、修理・交換にかかる費用などを比較し、必要な範囲の工事を選ぶことが大切です。
変換アダプターや継手で接続できるか確認する
既存の配管と交換したい水栓の接続規格が異なる場合でも、適合する変換アダプターや継手を使用して接続できるケースがあります。
配管の位置や接続方法によっては、壁を大きく開口するような工事をせずに対応できる可能性もあります。
ただし、アダプターや継手は、サイズや接続規格が合っていれば使用できるとは限りません。
水圧や使用環境なども含めて、適切な部材を選ぶ必要があります。
また、無理な接続は水漏れの原因になるおそれがあるため、取り付けの可否や使用する部材については、専門業者に確認することをおすすめします。
後継品や互換性のある水栓を探す
現在使用している水栓が廃番になっていても、メーカーが後継品を用意していたり、既存の設置条件に適合する別の製品が見つかったりする場合があります。
・「水栓の型番」
・「取り付け方法」
・「給水・給湯管の位置」
などを確認したうえで、交換可能な製品を探すことが大切です。
ただし、メーカーが異なる製品であれば必ず互換性があるとは限りません。
取り付け穴の位置や接続規格などが合っていても、浴室の構造や配管の状態によっては交換できないことがあります。
既存の水栓を活用できるかどうかも含め、メーカーや専門業者に確認しながら製品を選ぶとよいでしょう。
プロに依頼する際の費用と知っておきたいポイント
水栓交換にかかる費用の目安
水栓の交換費用は、既存の水栓の種類や設置状況、交換する製品、作業内容などによって変わります。
壁付タイプや台付きタイプの交換では、本体代と施工費を合わせて数万円程度になることがありますが、具体的な金額は製品や施工条件によって異なります。
カウンター一体型の水栓や、配管の変更を伴う工事では、一般的な水栓交換より費用が高くなる場合があります。
正確な金額を知るには、現地調査や見積もりを依頼することが必要です。
見積書を確認する際は、水栓本体の代金や施工費だけでなく、既存水栓の撤去・処分費、追加工事の費用などが含まれているかも確認しておくとよいでしょう。
依頼前に水栓の型番や設置状況を確認する
業者に相談する前に、現在使用している水栓のメーカー名や品番を確認しておくと、交換や修理の可否を判断する際の手がかりになります。
ユニットバスのメーカー名やシリーズ名が分かる場合は、あわせて伝えるとよいでしょう。
また、水栓の全体像や接続部分、カウンターや浴槽との位置関係などを写真に撮っておくと、設置状況を業者に伝えやすくなります。
ただし、写真だけでは配管の位置や内部の状態まで判断できない場合もあるため、最終的な交換の可否や見積もりは、現地調査が必要になることがあります。
複数の業者から見積もりを取り、説明内容を比較する
水栓の交換や修理を依頼する際は、可能であれば複数の業者に相談し、工事内容や費用を比較するとよいでしょう。
他にも、
・「見積書の内容が分かりやすい」
・「疑問点について具体的に説明してくれる」
なども、依頼先を選ぶ際の判断材料になります。
ただし、見積金額の安さだけで判断するのは避けたほうがよいでしょう。
必要な工事の範囲や使用する部材、追加費用が発生する条件などを確認し、費用と施工内容を比較したうえで、納得できる業者を選ぶことが大切です。
自分での水栓交換(DIY)が難しい理由と安全な進め方
水漏れや階下への浸水につながるおそれがある
「できるだけ費用を抑えたい」と考え、水栓の交換を自分で行おうとする方もいるかもしれません。
しかし、取り付け方法や接続部の処理に不備があると、施工後に水漏れが発生するおそれがあります。
特に、壁の内部やカウンターの下など、目視しにくい場所で漏水が起きると、発見が遅れて周辺の建材に影響を及ぼす可能性が考えられます。
マンションなどの集合住宅では、漏水が階下の住戸に影響するケースも考えられます。
・「水栓の構造や接続方法に不安がある場合」
・「作業後の漏水を確実に確認できない場合」
などの状況では、無理にDIYで対応せず、専門業者に相談するほうが安心です。
専用工具や作業経験が必要になる場合がある
長年使用した水栓は、接続部の固着や腐食などにより、取り外しが難しくなっている場合があります。
無理に力を加えると、接続部や周辺部材を破損させたり、配管に負荷をかけたりするおそれがあるため注意が必要です。
また、水栓の種類や設置状況によっては、専用工具が必要です。
サイズや形状が合わない工具を使用すると、ナットやボルトを傷め、取り外しや取り付けがさらに難しくなる可能性があります。
自分での作業に不安がある場合は、無理に作業を進めず、専門業者への相談を検討しましょう。
DIYを避けて専門業者に相談したほうがよいケース
専門業者に相談したほうがよいケースがあります。
例えば、
・「水栓の構造が複雑な場合」
・「作業スペースが狭く工具を使いにくい場合」
などは、DIYでの交換が難しくなります。
また、築年数だけを理由に判断するのではなく、水栓や配管の状態、取り付け方法なども考慮する必要があります。
作業方法や適合する部品が分からない場合、取り外しに大きな力が必要な場合などは、無理に作業を進めないほうがよいでしょう。
自分での対応が難しいと感じた時点で専門業者に相談し、交換や修理の方法を確認することをおすすめします。
業者選びで失敗しないための比較のコツ
相見積もりを取って工事内容と費用を比較する
お風呂の水栓交換や修理を依頼する際は、1社だけで判断せず、複数の業者から見積もりを取る方法があります。
業者によって工事内容や使用する部材、費用の内訳が異なります。
そのため、複数の提案を比較すると、自宅の状況に合った施工方法を検討しやすくなります。
ただし、見積もりの数が多ければよいとは限りません。
提示された金額だけでなく、工事の範囲や追加費用の条件、担当者の説明内容なども確認し、総合的に比較することが重要です。
なお、現地調査の有無や見積もりの条件によって金額が変わる場合もあるため、単純な価格比較だけで判断しないようにしましょう。
見積もりの内容と業者の対応を確認する
水栓の修理や交換では、必要な工事の内容や費用を十分に確認しないまま契約すると、想定外の追加費用が発生することがあります。
見積書に「一式」とだけ記載され、作業内容や部材費などの内訳が分からない場合は、具体的な内容を業者に確認しましょう。
また、極端に安い料金だけを提示し、後から追加工事や費用を次々に案内するケースも考えられます。
・「工事の契約を急かされる」
・「質問に対して十分な説明を受けられない」
このような場合は、その場で決めず、見積もりの内容や追加費用が発生する条件を確認することが重要です。
必要に応じて、他の業者にも相談し、提案内容を比較するとよいでしょう。
保証やアフターサービスの内容を確認する
水栓の交換や修理を依頼する際は、施工後の保証やアフターサービスの内容も確認しておくとよいでしょう。
工事後に水漏れなどの不具合が発生した場合の対応や、保証の対象となる範囲、期間などは業者によって異なります。
また、定期点検の有無や、施工後に不具合が生じた際の連絡先・対応方法も事前に確認しておくと安心です。
保証やアフターサービスが用意されている場合でも、すべての不具合が対象になるとは限らないため、契約前に具体的な内容を確認しておきましょう。
日常のお手入れで水栓を長く使うための方法
使用後に水滴を拭き取る
水栓をきれいな状態で使い続けるには、日頃のお手入れが役立ちます。
入浴後に乾いたタオルや柔らかいクロスで水栓に付着した水滴を拭き取ると、水道水に含まれる成分が残ってできる水アカの予防につながります。
ただし、水滴を放置したからといって、必ずサビや頑固な汚れの原因になるとは限りません。
水栓の素材や表面処理、使用環境によって汚れ方は異なります。
強くこすらず、製品の取扱説明書に従って適切にお手入れすることが大切です。
水漏れや操作の異常がないか定期的に確認する
水栓を長く使うためには、日頃から水漏れや操作の異常がないか確認することが役立ちます。
ハンドルやレバー、接続部などに水がにじんでいる場合は、原因によってパッキンなどの部品交換で改善できることがあります。
ただし、水漏れの原因が必ずしも消耗部品にあるとは限りません。
無理に部品を交換せず、水栓の型番を確認したうえで、メーカーや専門業者に相談するとよいでしょう。
早めに異常に気づくことで、状態に応じた修理や交換を検討しやすくなります。
水アカは素材に配慮して落とす
水栓に白いうろこ状の水アカが付着しても、硬いタワシや研磨力の強い道具で強くこすると、表面に傷がつきます。
まずは柔らかい布などで汚れを拭き取り、落ちにくいときは、水栓の材質や表面処理に適した洗剤を選びましょう。
クエン酸などの酸性洗剤は、水アカの除去に使われることがあります。
ただし、水栓の素材や表面処理によっては適さないケースもあるため、使用前に製品の取扱説明書やメーカーの注意事項を確認してください。
洗剤を使用する際は、製品に記載された使用方法や注意事項を守り、水栓に適した方法で清掃することが大切です。
まとめ
ユニットバスの水栓交換が「できない」と言われる背景には、カウンターとの一体型構造や配管の接続方法、部品の供給状況など、さまざまな要因が考えられます。
ただし、交換の可否や適切な対応方法は、製品の型番や設置状況、配管の状態によって異なります。
水栓本体の交換が難しい場合でも、
・「部品交換や後継品の選定」
・「配管工事を伴う改修」
など、別の方法で対応できることがあります。
まずはご自宅の水栓やユニットバスの情報を確認し、必要に応じて専門業者に相談するとよいでしょう。