ユニットバスの「耐用年数」はどれくらい？リフォームを検討する劣化症状・費用や工事期間の目安について解説！

ユニットバスは優れた機能性・施工性を兼ね備えており、多くの住宅で採用されている浴室の造りです。
しかし、一方で日々の使用による劣化進行は避けられず、一定の年数を経過することで交換やリフォームを検討すべき時期を迎えることになります。

そこで、今回はユニットバスの基本的な構造や特長をはじめ、交換が必要となる兆候や耐用年数にスポットをあててご紹介いたします。
また、ユニットバスを長持ちさせるための工夫やリフォームをご検討されるタイミングについても解説いたしますので、ぜひご覧ください！

ユニットバスとは？その特徴とメリット

一昔前、浴室の施工と言えばモルタルやタイルを用いて現場で造作する「在来工法」が一般的でした。
しかし、在来工法は施工の自由度は高いものの防水処理が難しく、水漏れなどのトラブルが生じやすいデメリットがあります。

一方、ユニットバスは床・壁・天井・浴槽といったパーツを工場で成形し、現場で組み立てて施工する浴室のことを指します。
防水性や清掃性に優れ短期間での施工が可能なことから、まさに在来工法のデメリットが解消された施工方法と言えます。

ユニットバスは在来工法に代わって浴室施工の主流となり、多くのお住まいで採用されることとなりました。

ユニットバスの耐用年数はどれくらい？

ユニットバスは防水性・気密性に優れていますが、日々の使用や湿気によるダメージを繰り返し受け続ける事でいつかは交換が必要となってしまいます。

それでは、ユニットバスの耐用年数はどれくらいなのでしょうか？
次に、ユニットバスの一般的な耐用年数やメーカー保証などについて詳しくご紹介いたします。

ユニットバスの耐用年数｜「一般的な目安」と「税務上の年数」

ユニットバスの耐用年数	期間
一般的な目安	15～20年程度
税務上の耐用年数（木造）	22年

まず、一般的な目安としてユニットバスの耐用年数は15～20年程度とされています。
これは浴槽や壁パネル、床材、排水管などの主要な部分が十分に機能を果たせる期間を指します。

ただし、実際のユニットバスの寿命は、使用頻度や日々のメンテナンス状況によって大きく異なります。
例えば、こまめに掃除を行い換気を徹底しているご家庭では20年以上快適に使い続けられる場合もあります。

また、ユニットバスの耐用年数を考える上では、「税務上の観点」という見方もあります。
たとえば、木造住宅の法定耐用年数は22年と定められていますが、ユニットバスは建物の一部として扱われます。

そのため、税務上の観点で見れば木造住宅に設置されたユニットバスの耐用年数は22年となります。

このように、ユニットバスの耐用年数は「一般的な目安」と法律によって定められた「税務上の年数」の2つがあるため注意が必要です。

「素材」や「使用状況」によって変わるユニットバスの寿命

ユニットバスの耐久性は、使用されている素材や日々の使い方によっても差が出ます。

たとえば、浴槽の材質としてよく使われるFRP（繊維強化プラスチック）は軽量でコストも抑えられますが、衝撃や劣化にやや弱く使用年数が長くなるとひび割れや変色が見られることがあります。
一方、人工大理石やステンレス素材の浴槽は価格は高めですが、耐久性に優れ長持ちしやすい特徴があります。

また、家族構成や入浴頻度によっても劣化のスピードは変わります。
例えば、小さなお子さまがいるご家庭や1日に何度も使用するような場合は、摩耗や汚れの蓄積が早まり寿命が短くなるケースもあります。

ユニットバスのメーカー保証について

ユニットバスには、製品ごとにメーカー保証が付いていることが一般的です。
保証期間は多くの場合2年～5年程度となっており、万が一の初期不良や特定の部品に関する不具合に対して無償修理を受ける事が出来ます。

そのため、気になる症状が出たときには耐用年数に関わらず早めに対処することが大切です！

ただし、この保証期間はあくまでも「製品の初期状態における性能の保証」を意味しており、ユニットバス全体の耐用年数を保証するものではありません。
経年劣化や日常使用に起因するトラブル（カビ、黄ばみ、傷など）は、保証の対象外となることがほとんどですので注意しましょう。

ユニットバスのリフォーム時期を見極めるサイン

ユニットバスには経年劣化が進行する事で、様々な症状・不具合が現れてきます。
毎日使う場所だからこそ、見過ごされがちな小さなサインも交換の目安となるヒントになります！

ここでは、経年劣化の症状やカビ・におい、水漏れなど、ユニットバスの交換を検討するうえで注目すべき具体的なサインについてご紹介いたします。

経年劣化による浴室のダメージ

ユニットバスは湿気や温度変化に常にさらされる空間であり、年数が経つにつれて様々な場所に劣化症状が現れてきます。
代表的な経年劣化の症状としては、以下のようなものが挙げられます。

・浴槽や床面のひび割れ
・壁パネルの変色や剥がれ
・換気扇の動作不良や異音

これらの症状が複数見られるようになると、全体的な老朽化が進んでいる可能性が高くなります。
特にひび割れや変色は見た目の問題だけでなく、内部構造への影響やカビの原因にもなるため注意が必要です！

著しいカビの繁殖や悪臭

ユニットバスは防水性が高くカビに強い構造ではあるものの、経年によってパッキン・コーキング部分の性能が低下する事でカビが発生しやすくなります。

こもったようなにおいが続く場合は、見えない部分でカビが繁殖している可能性があります。
浴槽の裏や配管、床下などにカビが進行していることもあるため注意が必要です！

異常と感じるほどの匂いや黒カビが発生しているケースでは、その原因次第でリフォームが必要となる場合があります。

水漏れや床のきしみ

ユニットバスの寿命を見極めるうえで特に注意したいのが、「水漏れ」と「床のきしみ」です。
これらは構造的な劣化や破損が原因で起きることが多く、放置すると建物全体への悪影響につながる恐れがあります。

例えば、「床を歩いたときにギシギシと音が鳴る」「部分的に沈む」ような感覚があるといった場合は、床下の支持材が劣化している可能性があります。
また、壁の内側や配管まわりからの水漏れは目に見えにくい場所で腐食やカビを引き起こしているかもしれません。

ユニットバスに構造的な問題が生じている場合、リフォームが必要となる可能性が高くなります。

ユニットバスを長持ちさせるためのポイント

ユニットバスは毎日使う空間だからこそ、日々の使い方やメンテナンスによって寿命に差が出てきます。
長く快適に使い続けるためには汚れや湿気をため込まず、定期的な点検も取り入れることが大切です！

ここでは、ユニットバスをより長持ちさせるための具体的なポイントをご紹介いたします。

日々の清掃メンテナンス

ユニットバスの劣化進行を低減させるためにまず重要となるのが、日々のちょっとしたお掃除です！

・使用後は壁や床にシャワーで水をかけて石けんカスを洗い流す
・スポンジや中性洗剤でこまめに浴槽や床を掃除する
・目地やゴムパッキン部分にカビが生えないようこすり洗いを定期的に行う

汚れがこびりつく前に掃除することで、素材自体の劣化も防げます。
また、金属製の部品や鏡には水滴を残さないようにすることで、サビやウロコ汚れの予防にもつながります！

湿気対策で劣化を防ぐ

浴室内の湿気はカビの原因になるだけでなく、部材の劣化を早める大きな要因です。
とくにユニットバスはその気密性の高さから湿気のこもりやすい構造となっていることもあり、日常的な換気が非常に重要となります。

・使用後は必ず換気扇を回す（できれば1〜2時間程度）
・定期的に窓を開けて空気の入れ替えを行う
・浴室乾燥機がある場合は積極的に活用する

また、換気扇のフィルターが汚れていると効果が落ちるため、数か月に1度は清掃しておきましょう。
湿気を抑えることは浴室だけでなく、住宅全体の寿命を延ばすことにもつながります。

専門業者による定期点検

たとえ見た目に大きな異常がないように見えても、内部では劣化や不具合が進行しているケースがあります。
そのため、ユニットバスを長持ちさせる上では専門業者による定期的な点検を受けることもおすすめです。

・床下や配管まわりの水漏れや腐食
・壁面や浴槽のひび割れ・劣化
・換気扇や排水機能の正常動作の確認

特に、設置から10年を超えたユニットバスでは機能の低下や部品の摩耗が進んでいることも多いです。
信頼できる施工業者に点検を依頼してみましょう！

ユニットバスリフォームのポイント・費用の目安

ユニットバスは経年劣化や機能面の老朽化が進むことで、交換工事が必要となります。
しかし、いざ交換を進めようと思っても費用や工期、注意点などわからないことも多く、不安に感じる方も少なくありません。

そこで、次に交換時にかかる費用の目安やリフォーム時に確認しておきたいポイントについてご紹介いたします。

交換時にかかる費用・工事期間の目安

ユニットバスの交換・リフォームにかかる費用は、浴室の広さ・グレード・工事内容によって大きく異なりますが、おおよその目安としては70万～150万円程度となります。

工事費用の内約	価格の目安
ユニットバス本体	30～80万円
解体・撤去費用	10～20万円
設置工事費	20～40万円
配管・電気工事費など	10～20万円

断熱性を高めるオプションや浴室暖房乾燥機などの設備を追加する場合、さらに費用が上乗せされます。

また、ユニットバスからユニットバスへ交換する工事期間の目安は2～4日程度です。
この期間は浴室を使用することが出来ないため、代替の入浴方法を探しておきましょう。

⇒お風呂リフォーム中どうする？工事の種類別で見た“入れない期間”と“代替方法”を徹底ガイド！

ユニットバスのリフォームで確認しておきたい3つのポイント

ユニットバスのリフォームは、住宅で行われる施工の中でも比較的大きな工事です。
そのため、リフォームを成功させるためには、しっかりと状態を確認した上で工事を行う事が大切です！

以下に、ユニットバスのリフォームを行う際に確認しておきたいポイントについてご紹介いたします。

①現在の浴室のサイズ・形状

リフォームを検討する際、まず確認しておきたいのが「現在の浴室のサイズと形状」です。
ユニットバスは規格が決まっているため、既存の空間に適合するサイズを選ぶ必要があります。

また、浴室の天井高や梁（はり）、配管の位置なども大切なチェックポイントです。
まずは専門業者に点検を依頼し、詳細な寸法や設置条件をしっかり把握しておきましょう。

②「マンション」と「戸建て」の違い

ユニットバスのリフォームにおいて、「マンション」と「戸建て住宅」には大きな違いがあります。

まず、戸建て住宅では構造や工事の自由度が比較的高いため、より柔軟なリフォームが可能です。
ただし、築年数が経っている場合には土台や配管の劣化が進んでいることもあるため、必要に応じて補修や交換も視野に入れる必要があります。

一方、マンションの場合は建物全体の構造上、配管の移動や浴室の拡張に制限があることが多いです。
管理規約によって工事内容や施工時間にも制約が設けられていることがありますので、施工の可否を含めて事前に管理組合へ確認を行う事が大切です。

③ショールームで実物を確認することもおすすめ！

ユニットバスのリフォームを成功させるためには、カタログやウェブサイトだけではなく実際にショールームで製品を見て・触れて確かめることも大変おすすめです。

ショールームでは浴槽の大きさや素材の質感、壁や床の色合い、手すりや収納棚の配置など細かな部分まで確認することができるため、サイズ感や使い勝手をよりリアルにイメージする事が出来ます。
そのため、完成後に「こんなはずじゃなかった…」となってしまうギャップを防ぐことにも繋がります。

また、メーカーの担当者やアドバイザーから直接説明を受けることができる点も大きな魅力です！

ユニットバス交換を検討するタイミング

ユニットバスのリフォームをご検討されるきっかけは、劣化や故障だけとは限りません。
最近では、ライフスタイルの変化や将来を見据えた住まいづくりの一環としてユニットバスのリフォームを考えられる方も増えていています。

そこで、以下にユニットバスのリフォームを検討するタイミングやポイントについてご紹介いたします！

ライフスタイルの変化

家族構成や生活スタイルの変化に合わせ、浴室に求める機能や使い勝手も変化します。
たとえば、

・お子様が誕生され家族が増えた
・ご高齢のご両親と同居することになった
・共働き世帯となり家事の効率化を重視したい

などのライフスタイルの変化は、現在まで問題なく使用できていた浴室が「使いにくい...」「不安が大きい...」と感じられるタイミングでもあります。
手すりの設置・段差の解消・清掃性の向上等ができるユニットバスのリフォームは、そうした使い勝手の問題を解決する事が出来ます！

他の水まわり設備と合わせたリフォーム

ユニットバス単体での交換ももちろん可能ですが、洗面所や脱衣所、給湯器など他の水まわり設備と一緒にリフォームを行うこともおすすめです。
工事が一度に住み、結果的にコスト・施工期間工期を抑えることができます。

また、浴室を含む上記の様な水まわりは毎日必ず使う場所です！
間取りの見直しや動線改善などをすることで、全体の使い勝手向上にも繋がる点は大きな魅力です。

将来を見据えたバリアフリー化

高齢化や将来の介護への備えとして、ユニットバス交換のタイミングでバリアフリー化を進める家庭も増えてきています。

具体的には、

・段差のないフラットな出入口
・滑りにくい床材への変更
・座ってシャワーができるカウンターの設置
・温度差によるヒートショックを防ぐ断熱性の強化
・手すりの追加設置や浴槽のまたぎ高さの見直し

これらの改修は将来の安心に繋がるだけでなく、日常の入浴の快適性も高めるメリットにもなります。

また、こうしたリフォームでは介護保険を活用できるケースもあります。
まずは、自治体の窓口などに相談してみましょう。

まとめ

住宅の中でも、毎日使用されるユニットバスはそれだけ劣化が進みやすい場所です。
一般的な耐用年数は約15～20年程度と言われていますが、日々のメンテナンスをしっかりと行っていくことで寿命を延ばす事も出来ます。

また、最近では「ライフスタイルの変化」や「将来を見据えたバリアフリー化」などを目的にリフォームを検討される方も増えています。

街の内装屋さんでは、ユニットバスの交換などのリフォーム工事にも幅広くご対応可能です。
専門スタッフによる点検・お見積もり・ご相談まで無料にて承っておりますので、お電話・専用メールフォームにてぜひお気軽にご相談ください！