給湯器の仕組みとは?お湯が出る仕組みと各種給湯器の特徴を解説

給湯器は、私たちの日常生活に欠かせない存在で、キッチンや浴室、洗面所で温かいお湯を供給する重要な役割を果たしています。
その仕組みを理解することで、給湯器選びや適切な使用方法、維持管理がより効果的に行えるようになりますよ!
本コラムでは、給湯器の基本的な仕組みから、各種の給湯器がどのようにお湯を作り出しているのかを詳しく解説します。
給湯器とは?その基本的な仕組みと役割

給湯器は、日々の生活に欠かせない住宅設備の一つで、私たちの家庭において温かいお湯を提供する重要な役割を果たしています。
給湯器はキッチン、浴室、洗面所などで使用され、快適な生活を支えるために常に働き続けています。
今回は、給湯器の基本的な仕組みとその役割について、詳しく解説していきます。
給湯器の基本的な仕組み
湯器の主な役割は、なんといっても水を温めて家庭内へ供給することです。
お湯を作る仕組みは使用する燃料などによって異なりますが、基本的な流れは似ているんですよ!

水の供給
給湯器は水道管から水を取り込みます。
蛇口をひねると、水道から水が供給され、給湯器の内部に流れ込む…という仕組みです。
水量センサーが反応し稼働
給湯器内部には水量センサーが設置されており、水が流れ込むとセンサーがその動きを感知します。
この信号により、給湯器が稼働し始めます。
水を加熱してお湯に!
水は、燃料(ガス、電気、石油など)を使った熱交換器で温められます。
例えば、ガス給湯器では、ガスを燃焼させることで熱を発生させ、その熱を金属のパイプを通じて水に伝え、加熱します。
お湯の供給
この一連の流れを「瞬間式」と呼びます。
この方式では、水を温めるときに貯湯タンクを使用せず、必要な時に必要な量だけお湯を作るため、湯切れの心配が少ないという特徴があります。
しかし、停電時には機器が稼働しないため、お湯を使うことができません。
給湯器の主な役割と利用される場面
給湯器の主な役割は家庭内で温かいお湯を供給することですが、その利用される場面は非常に多岐にわたります。
浴室での利用

最も多く使われる場面は浴室です。
シャワーやお風呂の湯船にお湯をためるため、給湯器は欠かせません。
特に、追い焚き機能を搭載している給湯器はお風呂のお湯を温め直すことができるため、家族全員が同じお湯を使っても快適に入浴することができます。
キッチンでの利用

キッチンでの料理にもお湯が必要です。
例えば、食器の洗浄やお湯を使った調理の際には給湯器から出たお湯を使いますよね。
また、食器洗い機にお湯を供給する給湯器もあります。
洗面所での利用

洗面所では、手洗いや顔を洗うためのお湯を出すことができます。
寒い冬の日には温かいお湯で顔を洗うことができると非常に快適ですよね!
暖房用途

一部の給湯器には、暖房機能を兼ね備えたものもあります。
温かいお湯を利用して床暖房や浴室暖房を行う「給湯暖房熱源機」など、寒い季節に役立つ機能です。
このように、給湯器は単にお湯を供給するだけでなく、生活全般において非常に多くの場面で使われており、その重要性は生活の中で欠かせないものとなっています!
給湯器の種類と特徴
給湯器にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる仕組みと特徴を持っています。選択する際は、家庭の使用状況や設置環境に応じて最適な給湯器を選ぶことが大切です。
ここでは、代表的な給湯器の種類とその特徴について詳しく解説します。
ガス給湯器

ガス給湯器は、ガスを燃料として水を加熱する仕組みの給湯器で、瞬間式と貯湯式の2つのタイプがあります。
特に、瞬間式は必要なときにお湯を沸かすため、湯切れの心配が少なく、経済的にも効率的です。
ガス給湯器は、水道管から供給された水を熱交換器で加熱します。
燃焼したガスによって熱を水に伝え、その熱で水を温めます。このプロセスは瞬時に行われるため、特に「瞬間式」のガス給湯器では、お湯をすぐに使いたいときに便利です。
種類
給湯専用機
シンプルにお湯を供給するタイプで、キッチンや浴室、洗面所などに使用されます。
お風呂の蛇口からお湯を溜めるタイプです。
ふろ給湯器
給湯暖房熱源機
電気給湯器(電気温水器)

電気給湯器は、電気ヒーターを使って水を温める給湯器です。
燃焼を伴わないため、火災のリスクが低く、安全性が高いのが特徴です。
また、深夜の安い電力を利用してお湯を沸かすことで、ランニングコストを抑えることができます。
特徴と利点
安全性が高い:ガスを使わないため、火を使うことによる事故の心配がなく、特に安全性を重視する家庭に適しています。
経済的にもメリットがある:深夜の電力を利用する「深夜電力契約」を活用することで、光熱費を抑えられます。また、電気ヒーターでお湯を温めるため、他の給湯器に比べてメンテナンスが簡単です。
デメリット
また、タンクを設置するスペースが必要です。
石油給湯器(灯油給湯器)

石油給湯器は、灯油を燃料にしてお湯を作るタイプの給湯器です。
特に寒冷地で人気があり、安価なランニングコストで大量のお湯を供給できます。
特徴とメリット
ランニングコストの低さ:灯油はガスや電気に比べて比較的安価であり、ランニングコストを抑えられます。そのため、大量のお湯を使う家庭や寒冷地で重宝されています。
高い給湯能力:石油給湯器は大量のお湯を必要とする場合に高い能力を発揮します。特に、床暖房や給湯容量が多い家庭には適しています。
デメリット
エコジョーズ、エコキュート
エコジョーズとエコキュートは、どちらも省エネ性能の高い給湯器です。環境負荷を低減し、光熱費の削減にも寄与します。
エコジョーズ

この排気熱の再利用により、ガス消費量を約10%削減し、CO2排出量も削減することができます。
エコキュート

エコキュートは、ヒートポンプ技術を活用して、空気中の熱を圧縮してお湯を作る給湯器です。
エコキュートは少ない電力でお湯を沸かすため、光熱費の削減効果が高く、長期的には非常に経済的です。
環境に優しく、CO2排出量も大幅に削減できます。
ハイブリッド給湯器
この給湯器は、状況に応じてエネルギー源を使い分けることで、低ランニングコストと即時性を両立しています。
ヒートポンプを使用することで、電力の消費を抑え、ガス給湯器で使用するエネルギーも削減できます。省エネ性に優れ、長期的に経済的なのです。
即時性がありバランスよく運用できる
エコ給湯器の低コスト運用と、ガス給湯器の高い即時性の利点を活かしたバランスの取れた給湯が実現できます。
ハイブリッド給湯器は、効率よくエネルギーを使い、快適な使用感を提供するため、非常に便利で経済的な選択肢です。
給湯器の主要部品と安全機能

ここでは、給湯器の主要部品と、それに搭載されている安全機能について詳しく解説します。
主要部品とその役割
以下は、給湯器を構成する主要な部品とその役割です。
知識として頭に入れておくことで、万が一の時に役立つかもしれませんよ!
ぜひ参考にしてみてくださいね。
水量センサー
水量センサーは、給湯器内に流れ込む水の量を検知し、お湯の加熱を開始するための重要な役割を果たします。
水が流れると、センサーがその変化を感知し、給湯器を動作させます。
ファンモーター(燃焼ファン)
また、燃焼後のガスを排出するためにも使用されています。
イグナイター(点火プラグ)
熱交換器
熱交換器は、燃料(ガス、電気、石油など)から発生した熱を水に効率よく移し替える役割を持ちます。
この部品がなければ、給湯器はお湯を作ることができません。
熱交換器は、給湯器の中心的な部品と言えるでしょう。
循環ポンプ
ふろ給湯器では、浴槽内のお湯を給湯器に戻し、再加熱するための循環ポンプが使われます。
このポンプによりお湯の温度が一定に保たれ、追い焚き機能が正常に作動します。
電装基板
電装基板は給湯器の「頭脳」とも言える部品で、センサーから得た情報を基に機器の動作を制御します。
正常に作動することによって、給湯器が適切にお湯を供給することが可能となります。
給湯器に搭載されている安全機能
給湯器は、安全にお湯を供給するために、さまざまな安全機能を搭載しています。
これらの安全装置は、不具合や事故を未然に防ぎ、使用者の命を守る重要な役割を果たします。
以下は、給湯器に搭載されている主要な安全機能です。
過熱防止装置(温度ヒューズ)
漏電安全装置
漏電安全装置は、給湯器が万が一漏電した場合、微弱な漏電電流を検知して電源を遮断します。電気的な事故や感電を防ぐことが可能です。
立ち消え安全装置
これは、不完全燃焼により一酸化炭素(CO)の濃度が上昇した際に、運転を停止させる安全装置です。
正常に作動することで一酸化炭素中毒の危険を防ぎます。
凍結予防ヒーター
寒冷地での使用に配慮した安全機能として、給湯器には凍結予防ヒーターが搭載されていることがあります。
このヒーターは、外気温が極端に低くなった場合に機器内の水が凍結しないように、内部の温度を保つ働きをします。
空だき防止装置
給湯器が水の供給を受けていない状態で稼働し続けると、過熱や損傷の原因になりますが…この装置がそれを防いでくれます!
バイパスサーボ
バイパスサーボは、給湯器内部での水流を調整し、湯温の安定性を高める機能です。
バイパスサーボがあることで急激な温度変化や不安定な湯温の供給を防ぎ、快適にお湯を使うことができます。
給湯器は、その主要部品と安全機能によって、日常の生活を支える重要な役割を果たしています。
これらの部品と安全装置がしっかりと機能することで、効率的で安全なお湯の供給が可能となり、家庭内で安心して使用することができます。
給湯器選びのポイントと注意点

給湯器は家庭における重要な設備であり、日々の生活を快適に保つために欠かせません。
しかし、数多くの種類や機能があるため、選ぶ際に考慮すべきポイントが多いです。
ここでは、給湯器選びの際に重要となるポイントと注意点を解説します!
設置タイプと必要な機能
給湯器にはいくつかの設置タイプと機能があり、家庭のライフスタイルや設置スペースに合ったものを選ぶことが大切です。
設置タイプは、家庭内の環境や設置スペースに応じて決める必要があります。
設置タイプ
壁掛けタイプ:スペースを取らず、コンパクトに設置できるため、狭い場所に最適です。

据え置きタイプ:床に設置するタイプで、設置場所に余裕がある家庭に向いています。大容量の給湯器を選ぶことができます。

PS(パイプシャフト)タイプ:マンションなどの集合住宅で使用されることが多く、パイプシャフト内に設置します。

必要な機能
給湯器にはさまざまな機能がありますが、生活スタイルに合った機能を選ぶことが大切です。主な機能には以下があります。
追い焚き機能:お風呂の温度が冷めたときに追い焚きができる機能です。家族が多く、お風呂を何度も使用する家庭に便利です。
自動お湯張り機能:浴槽にお湯を自動でためる機能で、手間を省けます。
床暖房や浴室暖房乾燥機:暖房機能が搭載されている給湯器もあり、特に寒冷地で便利です。
これらの機能は生活の快適さを大きく左右しますので、家族の人数や使用頻度に合わせて選びましょう。
号数と家族人数に適した選び方
号数を選ぶ際は、家族人数や使用頻度を考慮することが重要です。
号数の選び方
号数は「16号」や「20号」、「24号」などの数字で表されます。一般的には、以下の目安で選びます。
16号:1人暮らしや少人数の家庭に適しています。少量のお湯を使用する場合に最適です。
20号:2〜3人家族に向いています。お湯を同時に複数の場所で使用する場合におすすめです。
24号:3〜4人家族に適しています。お湯の使用頻度が高く、同時にお湯を使用する場面が多い家庭に最適です。
家族人数に応じて号数を選び、必要な量のお湯をスムーズに供給できるようにしましょう。
給湯器の寿命とメンテナンスの重要性

給湯器は長期間使用することが前提となるため、寿命や定期的なメンテナンスが重要です。適切にメンテナンスを行うことで、給湯器の寿命を延ばし、効率的にお湯を供給することができます。
給湯器の寿命
しかし、使用環境や機器の種類によっては寿命が短くなることもあります。
定期的に点検を行い、故障の兆候を早期に発見することが大切です。
メンテナンス
給湯器は、定期的な点検と清掃が必要です。例えば、以下の点に注意を払いましょう。
フィルターの掃除:給湯器の内部にはフィルターがあり、汚れや埃が溜まると機能が低下します。定期的に掃除を行うことが重要です。
配管のチェック:給湯器に接続されている配管に漏れや異常がないか確認しましょう。特に寒冷地では、配管が凍結しないように配慮が必要です。
安全装置の点検:過熱防止装置や漏電防止装置などの安全機能が正常に動作するか確認することが、安全に使うために重要です。
メンテナンスを怠ると故障の原因となり、修理や交換が必要になる場合があります。定期的な点検を行い、長く快適に使い続けられるようにしましょう。
まとめ
給湯器は、私たちの日常生活に欠かせない重要な設備であり、その仕組みや特徴を理解することが、効率的な使用と長期的なコスト削減に繋がります。
ガス、電気、石油、エコジョーズ、エコキュート、ハイブリッド給湯器など、さまざまなタイプの給湯器が存在し、それぞれに特有のメリットがあります。
選択肢が多い中で、ライフスタイルやニーズに合った給湯器を選ぶことが重要です。
さらに、給湯器の主要部品や安全機能についても理解を深めることで、より安全で快適な生活を実現できます。
適切なメンテナンスとともに、長く使用できる給湯器を選んで、快適な生活を送りましょう!
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